
同じ方向に歩く。その前提を共創する。
── 同じバスに乗り合わせた私たちのために
第1部から第3部で見てきたのは、
DXの「X(トランスフォーメーション)」が止まる理由が、
スキルや人材の不足ではなく、関係性の構造にある
という事実でした。
誰かが悪いわけではない。誰かが怠けているわけでもない。
それでも結果として、
そんな状態が生まれてしまう。
第4部では、
この状況に対する解決策ではなく、
一つの指針を提示します。
DXの「X」を、特定の誰かの役割や能力として
捉えた瞬間、組織は行き詰まります。
Xが扱っているのは、
つまり、人と人のあいだで起きることです。
だから本来、Xは個人ではなく、
関係性の中で扱われるべきものです。
ここで登場するのが、
チームコーチングという関わり方です。
誤解されがちですが、チームコーチングは
「誰かを育てる」ためのものではありません。
Xを一人に背負わせない関係性を、意図的につくるための
関わり方です。
実際の進め方は、シンプルです。
DXに関わるキーパーソン数名
(目安は3〜7名)で、
90分ほどの対話の場を、数回重ねます。
この対話の場には、プロのチームコーチが入り、
関係性そのものに働きかけます。
進行役ではなく、問いや沈黙、力の偏りが
特定の個人に戻ってしまわないよう、
場を保ち続ける役割です。
目的は、解決策を出すことでも、
役割を決め切ることでもありません。
一人が考え続け、一人が背負い続けて
「溶けてしまう」状態をつくらないこと。
問いや判断を、個人から関係性へ戻すための、
最小単位の場づくりです。
ここで、多くの方がこう感じます。
「それって、ファシリテーションと何が違うのですか?」
たしかに、似ている部分があります。
ファシリテーションは、会議や対話を前に進めるための
関わりです。
一方、チームコーチングが扱うのは、
といった、進め方の手前にある構造です。
進めるための関わりがファシリテーションなら、
進め続けられる状態を整える関わりが
チームコーチング、と言えるかもしれません。
組織の仕事は、「同じバスに乗り合わせた人たち」で
進めるものです。
途中で簡単に降りられない。行き先も、途中で変わる。
そんな前提があるからこそ、
この問いが重要になります。
DXの現場では、いつの間にか
同じ人が運転席に固定されがちです。
それが、X人材です。
チームコーチングが入ると、最初に起きるのは、
目に見える大きな成果ではありません。
ほんの小さな変化です。
けれどこの変化が起きたとき、バスは再び動き始めます。
運転が「私の仕事」から「私たちの仕事」に戻るからです。
DXの「X」を、誰か一人に背負わせ続けるのか。
それとも、同じバスに乗り合わせた私たちの問題として
引き受け直すのか。
チームコーチングは、その選択肢の一つです。
もし、「この話は、うちのことかもしれない」と感じるところがあれば、
こちらに考え方と関わり方をまとめています。
チームコーチング
https://www.coach-compass.com/service/team_coaching
まずは、関係性をどう扱うかを考えるところから。
そこから、変革は静かに動き始めます。