News(コラム/チーム支援)

チーム支援 2026.01.29

第1部 DXの「X」は、人材ではなく関係性で止まっている

※この記事は、全4部構成です。
DXの「X(変革)」がなぜ進みにくいのかを、
人材・支援のあり方・最小単位・実装という4つの視点から整理しています。
よろしければ、最初から通して読んでください。

DXが思うように進まない。
多くの現場で、同じ感覚が共有されています。

デジタル人材育成は進んだ。
研修も増えた。
ツールもそろってきた。

それでも、
「構想はあるのに、前に進まない」
「結局、元のやり方に戻ってしまう」
そんな声が消えません。

このとき、原因として挙げられやすいのが
「DX人材が足りない」という説明です。

けれど、現場をよく見てみると、
必ずしもそうとは言えない場面に出会います。

1.優秀なX人材は、すでにいる

DXの文脈で語られる「X人材」とは、
単にITに強い人ではありません。

  • ビジネス全体を見渡せる
  • 上流で考えられる
  • 変えるべき前提に気づいている
  • 周囲を巻き込もうとしている

こうした人は、すでに多くの組織に存在しています。

それでも、変革は進まない。
なぜでしょうか。

2.問題は「能力」ではなく「置かれ方」

X人材が置かれている状況を見ていくと、
ある共通点が浮かび上がります。

  • 説明役を一手に引き受けている
  • 調整役・翻訳役になっている
  • 判断の境界が曖昧なまま任されている
  • 周囲は「任せているつもり」になっている

結果として、
X人材は「優秀な個人」としては機能しても、
チームとしての変化は起きにくい状態になります。

ここで起きているのは、
人材不足ではありません。

関係性の設計が追いついていないのです。

3.変革は、個人ではなく関係性で進む

DXのX、つまり変革は、
誰か一人が頑張っても進みません。

  • どこまで決めるのか
  • 誰が判断するのか
  • どこから先は仮なのか
  • 誰と一緒に話すのか

こうしたことが、
関係者の間で共有され、合意されて初めて、
変革は現実の動きになります。

X人材が孤立している状態では、
この合意形成が起きません。

そして、変革は止まります。

4.DXが止まる本当の理由

DXが止まる理由を、
「人材が足りない」と片づけてしまうと、
研修を足す、スキルを足す、期待をかける、
という方向に進みがちです。

けれど、
本当に見直すべきなのは、
X人材を中心にした関係性のあり方です。

  • 個人に背負わせすぎていないか
  • チームとして考える場はあるか
  • 合意をつくるプロセスは設計されているか

ここを扱わない限り、
どれだけ優秀な人材がいても、
DXのXは前に進みません。


次の第2部では、
こうした状況の中で 「善意でやりがちな支援」 が、
なぜ逆にX人材を孤立させてしまうのかを整理します。

「よかれと思ってやっていること」が、
なぜうまくいかないのか。
その構造を見ていきます。

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