
※この記事は、全4部構成です。
DXの「X(変革)」がなぜ進みにくいのかを、
人材・支援のあり方・最小単位・実装という4つの視点から整理しています。
よろしければ、最初から通して読んでください。
DXが思うように進まない。
多くの現場で、同じ感覚が共有されています。
デジタル人材育成は進んだ。
研修も増えた。
ツールもそろってきた。
それでも、
「構想はあるのに、前に進まない」
「結局、元のやり方に戻ってしまう」
そんな声が消えません。
このとき、原因として挙げられやすいのが
「DX人材が足りない」という説明です。
けれど、現場をよく見てみると、
必ずしもそうとは言えない場面に出会います。
DXの文脈で語られる「X人材」とは、
単にITに強い人ではありません。
こうした人は、すでに多くの組織に存在しています。
それでも、変革は進まない。
なぜでしょうか。
X人材が置かれている状況を見ていくと、
ある共通点が浮かび上がります。
結果として、
X人材は「優秀な個人」としては機能しても、
チームとしての変化は起きにくい状態になります。
ここで起きているのは、
人材不足ではありません。
関係性の設計が追いついていないのです。
DXのX、つまり変革は、
誰か一人が頑張っても進みません。
こうしたことが、
関係者の間で共有され、合意されて初めて、
変革は現実の動きになります。
X人材が孤立している状態では、
この合意形成が起きません。
そして、変革は止まります。
DXが止まる理由を、
「人材が足りない」と片づけてしまうと、
研修を足す、スキルを足す、期待をかける、
という方向に進みがちです。
けれど、
本当に見直すべきなのは、
X人材を中心にした関係性のあり方です。
ここを扱わない限り、
どれだけ優秀な人材がいても、
DXのXは前に進みません。
次の第2部では、
こうした状況の中で 「善意でやりがちな支援」 が、
なぜ逆にX人材を孤立させてしまうのかを整理します。
「よかれと思ってやっていること」が、
なぜうまくいかないのか。
その構造を見ていきます。