
定年退職後、一番最初に失うのは何だと思いますか?
お金でも、健康でも、地位でもありません。
多くの方が最初に実感するのは、
「毎日行く場所がなくなった」という感覚です。
30年以上、朝に行き先があった。
帰れば「お疲れさまでした」と言われた。
自分の席があり、自分の役割があった。
それがある日、消える。
サードプレイス、という言葉があります。
家でも職場でもない、第三の居場所。
定年後の人生において、これを持てるかどうかは、
想像以上に大きな差を生みます。
【サードプレイスに「入れない」理由】
「地域のコミュニティに参加してみては」
「趣味のサークルに入れば」
アドバイスは簡単です。
しかし、実際に動けない方は少なくありません。
理由を聴くと、こんな言葉が出てきます。
「どこに行けばいいかわからない」
「途中から入るのが気まずい」
「定年前のような役割を期待されても困る」
「いまさら新しい人間関係を作れる気がしない」
これらは、意志の弱さではありません。
「自分がどういう人間で、何が好きで、何ができるか」が
曖昧になっているときに起きる、ごく自然な反応です。
コーチングでよく聞く言葉があります。
「昔は仕事のことで頭がいっぱいで、
自分が何をしたいかなんて、考えたことがなかった」
サードプレイスに入れない本当の理由は、
「場所がない」のではなく、
「自分の軸がまだ言語化できていない」ことが多い。
【サードプレイスが機能するとき】
一方で、サードプレイスが本当に「ホーム」になっている方を見ると、
共通することがあります。
「自分にできることを、誰かの役に立てている」
読書会で、本の読み方を自然に教えている。
ボランティアグループで、昔の経験が活きている。
地域のカフェで、誰かの話を聴く役になっている。
これは偶然ではありません。
「自分の強みで誰かに貢献できている」という実感こそが、
その場所を「居場所」に変えます。
サードプレイスに生まれる緩やかなチームは、
チームコーチングが目指す状態と重なっています。
肩書きが関係ない場で、対等に話せる。
得意なことで自然に役割を担う。
感謝が言葉で伝わる。
失敗しても「また来ればいい」と思える。
形式はなくても、機能としては最高のチームです。
【コーチングが果たす役割】
サードプレイスを探している方へのコーチングは、
「どこに行くか」を決めることではありません。
「あなたにとって心地よい場はどんな場か」
「人と関わるとき、何があれば安心できるか」
「これまでの経験の中で、誰かの役に立てたと感じた瞬間は?」
こうした問いを通じて、
自分の軸を言語化するプロセスを支援します。
軸が見えると、選択肢が絞れます。
「行ってみようか」という気持ちが生まれる。
そして一歩踏み出したあとも、
「馴染めているか」「自分らしくいられるか」を
定期的に確認する伴走が、安心感を作ります。
【FPの視点から:サードプレイスとお金の話】
蛇足に聞こえるかもしれませんが、
サードプレイスにはお金の話も関係します。
参加費・交通費・会食費・趣味の道具。
これらが「費用」ではなく「投資」に変わる感覚を持てているか。
CFPとして多くのライフプランを見てきた中で、
老後の資産が同じでも「使える人」と「使えない人」の差は、
「お金を使う先があるかどうか」です。
サードプレイスへの支出を計画的に組み込む。
それは生活費の節約より、豊かな老後に直結します。
「趣味やコミュニティに月いくら使っていいか」という問いに、
FPとして一緒に考えることもできます。
【こんな方のご相談をお受けしています】
・定年後の「行き場所」をどう作ればいいか迷っている
・サードプレイスを探しているが、最初の一歩が踏み出せない
・老後の時間とお金の使い方を、整理したい
・コーチングとFPの両方の視点でセカンドライフを設計したい
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